- 作者: 柾木政宗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/07
- メディア: 新書
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メフィスト賞史上最大の問題作という触れ込みで、
「絶賛」か「激怒」しかいらないということだったが、
う〜ん、法月の「微笑……。」ってのが、
自分も一番しっくりくる感想のような気がする。
推理を封じられた短編部分は、とにかく疲れる。
主人公二人の寒いやりとりが読んでて辛い。
ま、ただ後半の推理部分になってからは、
一応本格ミステリとして、頑張ってるわけで、
この辺まで、何が問題作なんだろ、と思えてた。
前半は生寒く、後半は生温かく、
半苦笑い、半しかめっ面で読み進んだところで、
終盤の最終メタ展開に突入。
ここまでも存分にメタ展開はあったわけだけど、
メタをいいことに、メタミステリであること自体をロジックにして、
本当に誰も予想出来ない(だろ、絶対)真犯人を指摘する。
それもこれがメフィスト賞応募作であるということ自体も
ロジックに組み込む内輪受けメタ展開。
この辺が評価を二分するところなのかな。
読者を馬鹿にするようなやり口だとかではないので、
個人的には「激怒」するような感情は起きない。
ただ、メタで好きに遊んでるなぁ、と端から眺める程度で
「絶賛」するほどの着想とも思えなかった。
一番無難に付ける6点に結局なっちゃうわな。