- 作者: 青崎有吾
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (11件) を見る
こんな特徴付けをした二人の探偵を主人公に据えることで、
ハウとホワイの絡み合いを、よりはっきりと読者に意識付けできる。
一見ハウが問題のように見えて、実はホワイの方が重要だったり、
その逆だったり、というのがダイナミックに描けるようになってる。
なるほどの工夫と言えるだろう。
しかもロジックを重んじる作者だからこそ、
更に効果を生み出せてるとも言えるように思う。
本来、不可能や不可解は必ずしもロジックとは結びつかない。
不可能はただ一つの解を見つけられればいいだけの話だし、
不可解はひらめきだけで一足飛びに辿り着けたりする。
ただ、それだとばらばらの飛び地にしかならない。
これを中心軸にロジックを据えることで、ハウとホワイが
バラバラにならずに、うまく絡み合えてるんだと思う。
昨年の第一位はダントツで「図書館の殺人」だったが、
第二位にも本作を選んでしまおう。採点は7点。
ベストは「髪の短くなった死体」。
「十円玉が少なすぎる」が次点かな。