- 作者: 本格ミステリ作家クラブ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/06
- メディア: 新書
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「意外性のある作品=本格」という解釈を時折見かけるが、それは違うだろと思う。
これもなんかそういう選出基準のようにも思えるのだが、狭義の本格ばかりで埋めるのもまず無理だろうから、程度問題なんだろうな。
ただ、そういう風に裾野を広げてるせいもあってか、粒は小さいながらも揃ってる感はある。
さて、『幻影の書庫』で恒例だったベスト3選びを。
ベストは迷うことなく、麻耶雄嵩「バレンタイン昔語り」、もうこれっきゃない。
このホンっト人の悪い(褒めてます)ひねくれ度合いが、まさに麻耶領域(エリア)。
こんなエリアまで踏み込んでいける書き手なんか、他に存在しない。
第二位は七河迦南「コンチェルト・コンチェルティーノ」で。
騙しますよ、騙しますよ、と宣言してるような作品なのに騙される。
転がされる被虐的快感が心地良いのだ。
第三位は、本格とは言い難いが、乾くるみ「ラッキーセブン」とする。
乾さん、これって思いっ切り ACMA:GAME に影響されてますよね。
でもって中身は、福本伸行やLIAR GAMEの高度なギャンブル漫画の小説版。
あと番外の個人賞として、小島達矢「僕の夢」を。
全然本格ではないけれど、作品としてはすごく好きだ。