- 作者: 日本推理作家協会
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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講談社版の「ザ・ベストミステリーズ」は年間アンソロジーだが、
こちらの光文社版は2010〜2012に発表された作品が対象。
三年間毎に二分冊という形式、らしい?
「驚愕遊園地」「奇想博物館」というタイトルが素晴らしい。
驚愕とか、奇想とか、単なる軽いミステリーなんかではなく、
そういう要素を重要視しているような期待感を抱ける。
作家陣もいい感じのセレクトなんだよなぁ。
本書の作者は、赤川次郎、芦辺拓、有栖川有栖、伊予原新、大崎梢、恩田陸、大門剛明、
辻村深月、鳥飼否宇、西澤保彦、初野晴、東川篤哉、東野圭吾、麻耶雄高、米澤穂信。
ただ、そういう風に過度に期待しちゃったせいか、意外に普通の年間アンソロジーかなぁと。
(まぁ当たり前と言えば、当たり前なんだろうけど)
題名からいって、もっと飛び道具炸裂!な作品があって欲しかったかなぁと。
たしかに粒ぞろいの良質な作品集ではあるわけだけど。
そういう感じなので、自分のベスト3のうち、未読作品は一冊のみ。
大門剛明「カミソリ狐」をベストに選出。
意地悪クイズ二連発なんだけど、本格ミステリの稚戯が愉しめる。
残り二作は、既読だった作品から。
ケメルマン対抗作品としてはピカイチの出来映えだろう有栖川有栖「四分間では短すぎる」に、
奇妙な味のホワイダニットという独特の読後感を残す西沢保彦「対の住処」を選出。
採点はアンソロジーとしては及第点の、無難な7点。
「奇想博物館」の方もそのうち読みます。