♪買い物しようと町まで〜、出かけたら〜、財布を忘れて〜、愉快なサザエさん〜
表題のようなツッコミをしたくなるのだが、どうか?
こんな前振りをすりゃ、そりゃ、そうだろうな、の展開になってしまうわけで……(ミスリードを狙った叙述トリックではない)。
かみさんが用事で出かけたので、三人分の昼食を用意しなくちゃならない。厨房に入らずな人間としては、ここはオヤジの腕の振るい処ってわけにもいかない。出張に履いてたズボンを替えて、前ポケットに小銭入れを突っ込んで、娘を連れて買い物に出かける。
それぞれ食べたいものが違ってるので、コンビニ行って、生協行って、モスバーガー行って、最後に自分の弁当を買いにほっかほか弁当へ。今日は唐揚げ弁当が90円引きらしいからそれでいいや。
「390円になります」
ズボンの後ろポケットに手を入れる。スルーする感触。”あちゃあ〜、やっちまったよ。ズボン替えたとき財布出してない”
「すみません、財布忘れてきました」
”キャンセルですね?”という、バイトのお姉さんの目配せに頷いて、とぼとぼと店を出る。顔の熱分は数度上がってたな、きっと。
店を出たところで、淡い期待で小銭入れを探る。えーと、えーと、一円玉がいっぱいあるけど、合計したら386円。これなら唐揚げ弁当はギリギリ駄目でも、他の弁当が買えるかも。慌てて店に舞い戻る。壁に貼ってあるメニューを眺めると、あれもこれもどれもそれも、一番安いのが390円(泣)。うなだれてまた店を出る。
結局、モスバーガーに戻って、新発売の辛味テリヤキチキンバーガー(320円)が買えたから、まだ良かったけどさぁ。
男44にして、4円の重みを知る。
#含蓄っぽくまとめてみた(←単なる間抜けなのにさ。 ……いや、違う、「愉快」だな)