新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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死相学探偵 3巻(完)

 
この巻が最終巻だった。そうだったのか。
 
前巻から続いた「六蠱の躯」が決着。
犯人の正体自体はさほど意外性は無いけれども、
構図はまぁまぁうまく構築されてるようには思う。
 
いろんな人を犯人に特定して、自ら崩していく、
推理のシーンの描き方はなかなか面白かった。
 
最終話は前後編の「死を以て貴しと為す」
なかなかに怖い怪談話。
そこからもう一つ意外な落とし所に持って行ってくれる。
悪くなかったな。
 
画は時々気味悪かったりしたけど、
もう少し続いてくれても良かったんだけどな。
原作読みたくなるほどじゃないけど、
漫画でつまみ食いするには、ちょうど良い感じの作品だったのにな。
 

デューン 砂の惑星 PART2


03/17(日) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
 
原作読んでないので、完全には理解しがたいところが
幾つかあったりはするけれど、細かいところまで全て
理解しておきたいというのでもなければ、問題無し。
(とはいえ、原作を読んでた方がより良いのは間違いないんだろうけど)
 
エンタメ性としては前作よりも高まっている。
設定や世界観が前作でたっぷりと盛り込まれていたので、
今作ではサーガとしての展開に、より集中できるせいか。
 
神話が成就していく様が今作の縦筋になっているので、
英雄譚としてのカラーも一気に高まった。
 
今回はたっぷりと登場する砂虫や、巨大重機との戦闘など、
アクションや映像の爽快感は抜群の出来映えだし。
 
若干ネタバレだが、血筋の秘密を知ったことで、
一気に振り切って清濁併せ呑むような雰囲気になるのは、
カタルシスにわずかな影を落としたりはしたけれど。
 
とはいえ、やはり秀作。
当然「Part3/砂漠の救世主」も行きまっせ。
 

犬の中に神が落ちる

多摩永山店まで歩いて、そこを皮切りに3軒回るコースで16,022歩。
 

1.は文庫版もあるけれど、こちらは大判の方。2.は諸星大二郎のソリッド・シチュエーション型サバイバルホラーだと。意外すぎる組み合わせだ。
 

1巻を読んでなかなか凄さを感じたので、まずは続けてみる。
 

以前もここで1,2回公演のDVD買ったけど、これが第3回公演。きっと同じ人が売ったんだろうな(そして、買った人も同じってことで)。
 

ハント

TSUTAYA西友町田店にてレンタル。今回はこの一本のみ。

1980年代、安全企画部(旧KCIA)の海外班長パク(イ・ジョンジェ)と国内班長キム(チョン・ウソン)は組織内に入り込んだスパイを探し出す任務を任され、それぞれが捜査をはじめる。二重スパイを見つけなければ自分たちが疑われるかもしれない緊迫した状況で、大統領暗殺計画を知ることになり、巨大な陰謀に巻き込まれていく。


緊迫のスパイ・アクション映画。
 
パク次長とキム次長と、そのそれぞれのチームが
互いに互いを疑い合い、調査し合うという展開。
 
このスパイ捜しを縦軸に、様々に濃密なアクション・シーンを
交えて描き出した、力作のスパイ・アクション映画。
 
筋はなかなかに難解だが、一発でおおよその理解は出来るとは思う。
スパイ捜しの決着も、単純ではないので、見応えがある。
 
それに加えて、無意味にちょっと難解さを増していたのは、
パク次長とキム次長のルックスが、かなり似通っていたこと。
髪型を一目で違う風にするとか、見分けやすい特徴が何か欲しかったよ。
 
実際の事件を結構モチーフにしてるみたいなので、
知っていればもっと深みが増すのかも知れないけれど、
無知識の自分でも、完全フィクションとして問題無く楽しめたよ。
 

でぃすぺる

 
ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ
 
まぁこの著者なので、オカルトはオカルトとして存在前提だし、
それでも間違いなく本格ミステリの構成を取っている、という作品。
 
展開や読み味はジュブナイルの要素は勿論大きいけれど、
かなりミステリ寄りに描かれている。
 
というのも、オカルト好きの主人公男子と、現実路線の優等生少女が、
それぞれの視点からの推理を示すけれど、
三人目の少女があらかじめ決めたルールでどちらも否定する、
というロジック推理の展開が常に組み込まれているからだろう。
 
あらかじめ期待したほど、優れた作品とまでは思えなかったけれど、
構図の組み上げ方はさすがだなぁとは思えたので、採点は7点確保。