エル・アラメインの神殿
第二次大戦を題材にした作品集。
収録作は「海の獅子」「エル・アラメインの神殿」「荒鷲と要塞」
「アルデンヌの森」「国辱漫画」「国辱漫画2 G.H.Q.」の六編。
戦争物自体は特に興味を覚えないので、この中では
伝奇風味を持った表題作と「アルデンヌの森」が出色。
その中でも”ナルメルのパレット”という実際の遺物も踏まえて、
ギザの大ピラミッドの特異性をも説明してみせた表題作が
ぶっちぎりのベストだな。
問題作「国辱漫画」「国辱漫画2 G.H.Q.」は、
諧謔味の悪趣味性がちょっと度を過ぎてるような気がして、
さすがにこれらをベストには押せないな。
ただ「国辱漫画」の扉絵だけは、本書の裏ベストってことで。
なんか諸星大二郎っぽい雰囲気だけど。