長い道
ほのぼのとした夫婦物。
……と一見思いそうになるが、さにあらず。
だってこれって偽りの夫婦物。
しかも主人公の旦那の方が、もうクズ中のクズ。
大人しくて何でも受け容れるもう一人の主人公、道にしても、
なんか芯の恐ろしさを心の内に秘めていたりするし。
作者が「好き勝手に描かせて頂いて」と書いてるように、
途中でひどい展開なんかもあったりする。
ほのぼの路線に見えて、なんか妙な話ばかりで、
落ち着いた光景を描かれても、こちらの心が落ち着かない。
一応定石通りに、偽りの夫婦が真の夫婦に変わっていくってのを
最後の二話「秋の空」「いつか来た道」で描いているようだが、
それでもやっぱ「いい話だったなぁ」とは思えなかった。