いけないⅡ
今回は短編集というよりは、連作集の形式に近かったな。
最後の短編で全てが繋がるというイメージ。
各短編の最終ページの写真を読み解けば、
短編内で明かされなかった謎が解けるという趣向だが、
今回は割と親切仕様で、前の章の真相がさらっと次の章で
示されているので、無理矢理頭ひねらなくてもすむ。
これも連作集感を高めている。
中でも圧倒的に凝っていて、難解なのが第一章。
最初は私同様混乱してしまう読者もいるはず。
ちなみに写真のヒントは「干支」。
他の章に関しては、まぁわかりやすいので、
趣向の効果としては、前作の方が上かもしれないけど、
一つの作品としての完成度は、こちらの方が上かと。
最後の写真に関しては、謎解きというよりも、
本書の先にある結末を暗示しているという、
このセンスも憎らしいほどに良い。
採点は充分に高めの7点。