神様がうそをつく。
ボーイ・ミーツ・ガールの物語だし、
子供達だけの逃避行がクライマックスの作品だけど、
そこから想像される甘々な話では決してない。
ネグレクトの児童虐待や、それにも関連する悲惨な
事件なども描かれている。
ただ、それにしては突っ込みが足りないというか、
深さが今ひとつな印象は受けてしまった。
こういう親が信じられないし、心底許せないだけに、
こんな軽薄な描写だけで終わってしまうことが、
許容しがたく思ってしまうって要素もあるんだろうけど。
タイトル買いした作品だったけど、
そのタイトルの意味が語られるシーンは非常に良かった。
ここは本書の白眉だろう。
その意味では買って良かったんだけど(百円棚だし)、
ただ、やはりどこかの方向にもう一歩踏み出して欲しかったという
もどかしさが少しだけ残った作品ではあった。