新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ティンカー・ベル殺し

 
あの児童文学の代表作の一つであるピーター・パンを、
あのディズニー映画の一つであるピーター・パンを、
こんなアンモラルな話にしちゃうんだぁ~
 
とか思ってたら……
巻末の著者による解説を読んでビックリ。
そもそもそういう話だったんだ。
全然イメージ変わっちゃうよ。
 
さて、本格ミステリとしての本作の出来映えだが、
スリードと伏線を効かしたトリックがお見事。
 
世界観を活かした意外性の演出は薄く(ミステリとしての意味での)、
アーヴァタールの呼応は、慣れてるので驚きには繋がらない。
この呼応に関しては、定めたルールを最大限に活かした見せ場が
用意されてるのは、本作のポイントの一つではあるけど。
 
なので、たしかに凄く決まってはいるんだけど、このトリックだけでは、
「アリス殺し」「ドロシイ殺し 」には及ばないというのが自分の評価。
とはいえ、迷い無く7点は確保。
 
さて、次に殺される物語少女は誰だろうか?
自分の予想は「グレーテル殺し」。お菓子の家の密室殺人。
でも、被害者と思われていたグレーテルは、実は生きているんです。
勿論、魔女の目が悪いってのが、トリックを成立させるキモなんですが。
ちなみに次点の予想は「フローレン殺し」。
#昭和世代の自分にとっては「ノンノン」ですけどね。