原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。
- 作者: アミの会(仮)
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2016/06/13
- メディア: 単行本
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今回は特別ゲスト(?)で、コネで引っかかった(?)男性作家二人、
有栖川有栖に小林泰三も参戦。
第一弾は「捨てる」という、なかなかユニークな視点のお題だったが、
今回は一転、ベタすぎるド直球の「毒殺」というテーマ。
ま、元々毒は女性殺人鬼の定番ってことで、女性作家の競作テーマとしては、
たしかに向いてるのかもしれない。
そんなわけでやはり、女性作家特有の嫌らしさ・底意地の悪さが発揮された
作品集になってると思う。
(最近は公の立場の人がたかだかこの程度の発言しても、性差別者としてバッシング
受けたりする風潮があって、よく「なんだかなぁ」と思うことある。
差別と区別の境界線が、果てしなく下がってると思う。ま、それはそれとして)
ただ、もっとドロドロしたどす黒い厭ミスがあってもいいかなとは思ったけど。
厭らしさはとてもニジニジしてるけど、なんだか妙にカラッとした明るさが感じられた。
その分、読後感は全然悪くなかったけどね。
ベストは残念ながら女性作家ではなく、小林泰三「吹雪の朝」とする。
割といい加減な扱いされがちな件に一石を投じつつ、
それを逆利用してユニークな構図を成立させるという巧みさ。
第二位は嫌らしさ感の描き方が光ってた松村比呂美「ナザル」で。
第三位は一番ミステリらしい作品だった柴田よしき「猫は毒殺に関与しない」。
しかし、この犯罪、成功してたら犯人モロバレで大失敗だと思うけど。
柴田よしき以外、毒殺につきもののハウダニットに繋げてくれなかったので、
本格厨としての採点は6点とするが、話としてはそれぞれ愉しめた。