新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ミステリマガジン700 海外篇

全編書籍未収録作という縛りや版権事情があるとはいえ、もう少しなんとかならないものかなぁ。
700号を数える膨大なミステリマガジンの歴史を踏襲しているとは思えない。
所詮選者一人という条件では、このくらいが限界ということなのだろうか。
 
埋もれた傑作というのは一編も無い。
有名作家ばかりのセレクトになっているのも一因なのではないか。
各作家の個人短編集にどうしても入れたくなるような作品ではないものばかり?
 
そんな中ではあるが、恒例のベスト3を選んでみよう。
まずベストはエドワード・D・ホックのレオポルド警部物「二十五年目のクラス会」。
本格としてきっちり手掛かりが盛り込んであるところが、さすがホックだ。
第二位がイアン・ランキン「ソフト・スポット」。
ついつい油断してしまったら、そういう手で来たか。
第三位はユニークな形式が売りのクリスチアナ・ブランド「拝啓、編集長様」。
ミステリとはちょっと違うけど、読めて嬉しかったのはジャック・フィニイ「リノで途中下車」。
 
採点は6点。ごくごく平凡なアンソロジーといったところだろう。