ようやく特別版四作が全て録画出来たので、久々にこのコーナーの復活。
【奇術探偵ジョナサン・クリーク(ほぼ)全作レビュー】
本作は1998年のクリスマス・スペシャル(シーズン2と3の間)なので、相手役は初代のマディ。
マレラ・カーニーは、かつて“ブラック・カナリー”として世間を賑わせたイリュージョニスト。当時、マレラの成功を陰で支えていたのは双子の妹ベリルだったが、彼女は15年前、新しいマジックの練習中に事故で亡くなった。ある日、ベリルの娘ハンナが心霊外科医を連れてマレラを訪ねてくると連絡が入る。なぜか怯えた様子のマレラ。そして、その数日後、マレラは謎の自殺を遂げた。マレラの娘シャーロットは、ジョナサンに調査をもちかける。
トリックの悦楽。
特別版(2時間スペシャル)らしく、設定・ストーリー・ユーモア・キャラクター(警部が秀逸)・謎の不可思議性・伏線・トリックと、ジョナサン・クリークらしさが満遍なく揃ってる。
そういう意味ではきっちりと良質のスペシャル版。
とはいえ、個人的には何かもう一つミステリ的な驚きが欲しかったところ。
たしかにトリックはとんでもなく気持ち良いのだ。これよこれ、と思えるんだけど、不可思議さが際立っているだけに、逆に解決の枠を狭めている。このトリックか、冒頭にアダムが使ってたようなトリックか、ほぼ二者択一と思えてしまうので、意外性自体はさほど感じられない。千両役者登場みたいな嬉しさなんだよね。
呪術医も登場するが、あまりにも一般的なトリック一つ解明するだけの肩透かし。
ドラマ的には申し分ないんだけど、若干の物足りなさは残った次第。