言及されてはいないが、きっと川原由美子の「観用少女(プランツ・ドール)」の影響を受けた作品なのだろうな。
でも、あるいはだからこそか、雰囲気も良くって、うるうるさせられてしまう。各巻毎に結構特徴があって、1巻はバラエティに富んでいて、このモチーフで出来ることを様々に探っている。2巻は人形師自身のルーツを縦筋に描いた物語となっている。そして八年というインターバルを経て描かれた3巻目は、明白に「恋愛」というテーマで貫かれている。
親という立場で家族を持ってからは、涙腺を刺激される要因が明確に「恋愛」から「親子愛」へと移行している自分としては、ベストはやはり1巻。それも第三話。子どもの関西弁もハートをズッキュン(死語)で、もうほろほろのうるうるでめろめろでしたわん。