新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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藤子・F・不二雄SF短篇集 2 メフィスト惨歌

 
藤子・F・不二雄のSF短編集四冊をまとめ読み。
やはりこの作者はSFだよなぁと納得出来てしまう作品ばかり。
 
この巻はSFというより異色短編の方に入れた方が
ふさわしいような作品も結構あったようには思えたけれど。
 
順位付けずに収録順にベスト3を選択。
 
まずは表題作で冒頭の「メフィスト惨歌」。
悪魔を出し抜く話は数々あるけど、このロジックはなかなかに秀逸。
 
続いては「マイロボット」で。
感情を持つロボットの描き方から、最後に示されるビジョンが良い。
 
最後は「殺され屋」で。
これは完璧にミステリだな。一つ一つの手管が素晴らしい。
 
次点は「裏町裏通り名画館」で。
 

天国のシェイクスピアはそれでもなを

昨日は一日中雨(時々雪)でずっと家にいたので、今日は妻と一緒に新百合まで歩きing。

1.は2巻はなかったけど、10月発売の3巻がもう百円棚に。意想外に速いペースで嬉しい。2.はもう11巻も出てるのに、ようやくこれで2巻。いつになったら読めるだろう。3.は最終巻まであと2巻。4.は電脳系のネタで10年前の刊行(2010年刊)ってのでも、懐かしく楽しめるか?
 

♪季節はずれの~雪が~降ってる~

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おそらくこの冬限定で言えば、
♪「東京で見る雪はこれが~最~後ね~」と~
で、間違いないんじゃなかろうか。
 
そんな天気なのに、こんな発表も。

気象庁は14日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。全国で最も早く、東京の観測史上でも最も早い開花となった。

 
今日咲いた桜も「失敗したなぁ」と思ってるに違いない。
 

最強ミステリ映画決定戦

 
曲者揃いの投票者(100人の映画ジャンキーが選ぶ!という副題)による、
ミステリ映画ベスト選び。
 
1位が「サスペリアPART2」で、2位が「悪魔の手毬歌」、
3位が「探偵<スルース>」という時点で、普通の一般投票ではあり得ない
独特のセンスが感じられて、共感することしきり。
 
自分とセンスが似てそうな投票者を見つけて、
その人のベスト10を参考にするなり、
テーマ別ミステリなんでもベストや、
それぞれのコラムなどから気になる作品を見つけたり、
ガイドブックとしても読み物としても充実した一冊だった。
 
ただ見たくなっても、おいそれと見つからない作品が多くて、
もどかしさを感じてしまうのは、もう宿命みたいなもんだからなぁ。
せめて近くに大きいTSUTAYAがあると、少しはましなんだろうけどなぁ。
 

我らコンタクティ

 
マンガ大賞2018第2位の作品。
しかし、この作者、まだこの作品しかないようだな。
 
「なつのロケット」同様、素人がロケットを飛ばす話。
 
こちらも科学考証はすごくきっちりされてそうなんだけど、
それでも、なんか現実にあり得そうな感じが全くしない。
 
一つにはいきなり燃焼実験から始まってて、
過程がそんなには見えないってところもあるかもしれないけど、
やっぱ、この画とキャラクタ設定の印象が与える要素が強そうな気がする。
 
人間ドラマも描き込もうとするあまり、
登場人物一人一人にものすごくエキセントリックなラベル付けがされてて、
人間くさいプロットを構築しようとしてるんだけど、
この一切人間味が感じられない画では、それらがみんな逆効果に見えてしまう。
 
共感できる人物もいないし、なんか最後まで乗り切れなかったなぁ。