新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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藤子・F・不二雄異色短編集 4(完) パラレル同窓会


収録作は「値ぶみカメラ」「女には売るものがある」「同録スチール」「並平家の一日」
「夢カメラ」「親子とりかえばや」「懐古の客」「パラレル同窓会」「コラージュ・カメラ」
「かわい子くん」「丑の刻禍冥羅」「ある日……」「四海鏡」「鉄人をひろったよ」の14編。
 
この異色短編集は、ほとんどが単品作品だったのだが、この巻は未来の商人(?)が
売りつけに来る品物が巻き起こす顛末を描いたシリーズが6編も収録されているのが特徴。
 
ただ、どれも同じようなパターンになってしまうため、印象に残る作品は少なかった。
 
というわけで、ベスト3の上位2作はそのシリーズ外の作品から。
 
ベストは表題作。パラレルワールドの自分と遭遇する話は数多あれど、
このスケールは結構珍しい気がする。
第2位は「鉄人をひろったよ」。なんだかペーソスを感じてしまう。
一応第3位は上記シリーズから選んでみよう。
話としては「値ぶみカメラ」が一番いい作品のように思うけど、
ミステリ風味があったり、理屈付けが行われたりと、自分には刺さる「四海鏡」で。
 
これにて異色短編集はコンプリート。