明智卿死体検分
設定に雰囲気にミステリマニアならではの小ネタが
愉しめるという作品。
そういうところをたっぷり味わいながら
読みましょうってなところだろうな。
本格ミステリとして読むには、
「わずらわしい」って言葉がピッタリくる気がする。
妙に複雑だけど、特にアクロバット感も無く、
あんまりミステリ特有のカタルシスが得られない。
犯人の意外性も狙っているのかもしれないけれど、
なんか効果が発揮されてない。
全体的に曖昧な表現に終始してしまって申し訳ないけど、
どこがどう物足りないのか、説明に困るような作品。
まだ1巻しか読み終えてないけど「短編ミステリの二百年」に
感じたような、雰囲気や意図や描き方は良いけれど、
自分の好みとは大きく差異がありそうな不安ってのは、
この実作にもまさしく当てはまっていたようだ。
というわけで、やはり採点は6点かな。