新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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日本沈没(上)(下)

 
様々なメディアで描かれてきた原作なので、なんとなく知ってた様な気になってたが、
自分が持ってたイメージとは結構違ってたかも。
 
田所博士と小野寺は、最初から最後まで出っぱなしで、
この二人を中心に話が転がっていくのだと思ってた。
 
どっちかというと理論的な部分を除いては、アクション映画みたいな
エンタメ路線のような気がしてたんだけど、
もう完璧にディザスタームービーみたいな作品だったのだな。
まぁ日本沈没なんだから、当たり前と云えば当たり前なんだろうけど。
あとは政治物要素の強さね。これも予想以上だった。
 
なので個人的にはそういう部分よりも、理論的な部分の方が愉しめたかも。
この作品(当然、原作の方の話だが)が出てから、
プレート・テクトニクス理論が一般の誰もが知るものになったよなぁ、
ということを思い出しながら。
 
これを機にWikipedia見てみたんだけど、小松左京の興味としては、
日本人が漂流の民族になったら、というとこにあったらしく、
日本沈没」自体はその舞台設定で、「第1部・完」という位置づけになってたらしい。
谷甲州との共著(執筆は谷氏)で、2006年に第二部が出版されてたらしいが、
全然知らなかったな。それにあまり興味も惹かれないかな。