新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

TSUTAYAの「新作・準新作5本で千円」で借りた作品、これで最後。

ほら、ちゃんと実写化してやっただろ。
……って、ドヤ顔で言われてるような作品に思えた。
 
たしかに実写にはなってるんだけど、
なんとなく無機質というか、
ジョジョ愛を感じることが出来なかったな。
 
職業として作られた映画、という感じなのかな。
 
技術としては充分上手い映画だと思うけど
(スタンドの描き方は満足できる出来映えだと思った)
おおっ、これは痺れるぅ〜〜、というような
ファン冥利に尽きる台詞回しとか演出があまり感じられなかった。
有名な台詞も出てきても上滑りしてるようで、琴線に触れてこない。
 
偏見の目で見てしまって、厳しい評価になってるのかもしれないけど、
それを跳ね返してくれる”何か”が欲しかったなぁ。
 
結局(これを言っちゃ身も蓋もないかもしれないけれど)
そもそもの話、この作品を実写化する意義っていったい何?
 
この作品に限らずだけど、個人的にはマンガやアニメなどの
二次元の世界を三次元化することの意義って、
より現実の世界で疑似体験している気持ちにさせてくれるって
ことじゃないのかなぁと思っている。
(イケメンや美人女優使って二度稼ごうという、商業的な意義を除くと)
 
なので、恋愛物に関しては成功する場合が多いんだろうと思う。
 
でも、そもそもこういう非現実の作品を現実の世界で再現したって、
結局は見世物(テーマパークのアトラクションみたいなもん)に
過ぎないんじゃないのかなぁって。
 
映画はアトラクションとして楽しめれば充分、という見方も当然あるだろうけど、
そこにはあまり意義は感じられない。
実写化出来てるよ、すげぇなぁ〜、とかの感慨は喚起されるだろうけど。
 
デスノート(最初の二部作のみだけど)みたいに、
原作をはみ出すことをやって、なおかつ原作に匹敵できる作品にする、
なんてのは、大いなる意義のある実写化なんだけどね。
(失敗すると、なんで忠実にやらないんだって、批判の嵐にはなるだろうけど)