新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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首なし男と踊る生首

原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。

首なし男と踊る生首 (ミステリー・リーグ)

首なし男と踊る生首 (ミステリー・リーグ)

いかにもこの作者らしい、死者冒涜的(ディスってるわけじゃないっす、その真逆)
ハウダニットが、なんとも素敵。
 
一つは「屍の命題(旧題:死の命題)」の笑撃的ハウダニット
思い起こさせてくれるようなタイプのトリック。
ただ、詳細はわからんけど、きっとこういうことなんだろうな、
という予想が非常に付きやすい気がするのが、ちょっと残念なところ。
その割に現象自体もちょっと無理矢理過ぎるように思えてしまうので、
狙ったほどの効果は産み出されていないかも。
 
いやあ、しかし、もう一つのハウダニットは、
思わず電車の中で忍び笑いさせてもらった。
当分は忘れられないだろう笑劇度。
恐怖と笑いは紙一重だったりする場合が多いけど、
これはまさしくだな。
こういうホワイダニットが隠れていたのかという
気付きの感覚も心地良い。
 
ホントにこの人はバカミスファンは避けて通れない逸人。
とっても愉しいよぉ〜。採点は7点。
 
ただし、編集者殿。
表紙折り返しの文章は、これはあんまりなのでは。
ほぼほぼラストでしか明かされない真相をここまで露骨に暗示されると、
ミステリの醍醐味の一部を喪ってしまってる気がしちゃいました。