新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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フォークの先、希望の後

ML仲間である著者からの献本。どうもありがとう! しかもML限定特装版(笑)

フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス)

フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス)

これは、こるもの版「デスノート」なのか?
 
「恋愛(ラブ)&恐怖(ホラー)」と銘打たれた本作。「これはミステリではない」という宣言なのかもしれないが、だからと言って、ミステリに対して「後ろ足で砂かける行為」なんて許してなんかやらないぞ!
 
だってさ、これって、ある意味またもや、一作目に続いてのバカヤローなアンチ・ミステリ。
 
しかも今回は「喧嘩」なんかじゃなくって、「シカト」とかいう手段に限りなく近いんじゃないのか。
ミステリとしてなんか決して成立させてやんないぞってな企みに(だからこそホラーって言い張るつもりなのか?)、ミステリのガジェットを無意味化させる放置プレイと、相変わらず本格ミステリを愚弄してやがる。
右手の中指立てちまうってばよ。
 
とかなんとか「ええ根性しとるやんけ、てめぇ」ってなことを思わされてるうちに、悔しいぐらいにラブなホワットダニット。
あまあまか。あまあまなのか。だけどなんだかロマンチストとはほど遠い扱いされしまうしさ。好きな女に対しては、パロディなくらいにキザでロマンチストなおいらにゃ、許せんぜよ。痛い雰囲気醸し出さずに、もちっとちゃんと感動描いてくれよってば。テレか。テレなのか。
 
しゃあないな。しかも今回は魚蘊蓄が少なくって物足りない割には、なかなか楽しく読めちゃったりしてさ。こるもの国はこれでほぼ完成したんじゃないのか。
ぐっと盛り返しの三作目だったと思う。