新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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賭博覇王伝零 4巻

Amazonの書影はやはり遅い。アフェリエイトやってるわけでもないから、楽天ブックスを基本にしようかな。

直接対決は単純ながらもきちんと最善解が用意されていて、なるほど納得の結末。基本は”頭で対決”という類の作品なんだから、頭に関してはこのくらいの差が付いていた方がいい。最終的には”頭だけではない”部分で、勝利に導かせるわけだろうからね。その意味では、主人公の善意が完璧にスカされる辺りも、今後の展開にじわりと効いてきそうな予感がして巧み。
さて、続いては「鏖(みなごろし)の魔女」編に突入。ミステリにおいてもそうなんだけど、暗号物って個人的にはそう愉しめた記憶がないんだよなぁ。発想の飛びの意外性に驚けるようなもんなんてまずないから、へぇ〜とかふぅ〜ん程度しか感じないことが多い。
作者の自由度が高すぎるような気がするのも、その一要因かもしれない。だから、一旦解けたと思わせておいて更にもう一段仕込まれているような、「こんなの良く作ったなぁー、すげぇー」という「作り方が高度」ってのが、唯一愉しめる暗号物の要素なような気がしてしまう。
そんなこんなもあって、ちょっとテンションは下がるぞ。部屋の問題やこの暗号みたいな、謎々が与えられてそれを解けってんじゃなくって、隠されているイカサマの謎を自ら求めて解いていくようなもんを読みたいんだ。