新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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容疑者 室井慎次

1/3 日本映画専門チャンネル放映分。
交渉人が非常に良い出来だったから期待したのに、こっちは一転どうしようもない作品だったなぁ。本編自体をそれほどは観ていないので、室井自身に興味がないせいもあるのかな。語らないキャラがそのまんま映画の性格になっているようで、息苦しいほどに退屈でどうしようもなかった。
田中麗奈の一本調子のナレーションで綴られる冒頭部が特に辛い。役柄としての必然だとは思うので、彼女が悪いのではなく、全て演出の責任だと思う。彼女を嫌ってるわけでもなんでもないが、踊るシリーズのメインに彼女を据えたことは、カラー自体が合わず、失敗だったのではないか。
また、ケレンはこのシリーズの特徴だと云っても、出来損ないの横山秀夫みたいな権力闘争のデフォルメ化は、成功しているとは思えなかった。灰島弁護士事務所の戯画化された性格は面白いが、計算高い設定の割に灰島自身が激高して墓穴を掘るのもどうかと思う。
全体的に演出が自分の好みに合わなかったのか、駄目な作品だとしか思えなかった。残念。