新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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欺瞞の殺意

欺瞞の殺意 (ミステリー・リーグ)

欺瞞の殺意 (ミステリー・リーグ)

 
流石だなぁ。
 
70代のおばあちゃん作家とはとても思えぬ柔軟さ。
本格ミステリとしての精度の高さに、いつもながら驚かされる。
 
60過ぎのデビュー当時から、構図の意外性に驚かされっぱなしだが、
わずか二人の書簡という極限の場でも、その特徴が見事に活かされている。
 
明らかにバークリーを意識した、敢えての「毒入りチョコレート事件」。
手紙が届く度にひっくり返される事件の構図。
そして、それら全体に仕掛けられた、巧みな企みの構図。
 
凄い!
 
この書き手の構図の描き方には心底感心してしまう。
 
採点は7点。昨年の長編としては、小林泰三、門前典之を越えて、
本作をベスト1としたい。全体としても第3位としよう。
 

空からりんごが降る孤島

一昨日は散歩兼ねてホームセンターで、キシラデコール(塗料)やワックスを買ってきて、
昨日はウッドデッキの塗装をやって、明日はリビングのワックスがけの予定。
 
合間の今日はGW中20%Offのブックオフのはしご目指して歩きing。
多摩永山店まで歩いて、そこから永山駅までは無料のシャトルバス。
電車で新百合まで出て、ブックオフ寄ってそこからまた歩きで帰る。しめて16,767歩なり。
 

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永山に向かう途中で見かけた観音像と、遠くに望める富士の山頂

 

1.は昔釈由美子主演でドラマ化された作品。見てないけど。2.は手塚治虫のミステリ短編が集まった作品集のようだ。
 

1.はもうかなりの終盤に来てそうだが、連載はまだ続いてるのかな。単行本は何巻で完了するんだろうか。2.~4.は乱歩の最高傑作と称されることの多い作品のコミカライズ。
 

JUNK HEAD

05/01 TOHOシネマズ海老名にて鑑賞。
 
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「良い意味で」って付ければ全て許される、世間の風潮に迎合するつもりはさらさら無いが、
”良い意味で”気が狂った作品を久々に観たなってのが、正直な印象。
 
原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、
衣装、映像効果の全てを堀貴秀監督一人が手がけて、7年の歳月をかけて製作した作品。
 
まぁストップモーションアニメ自体が、そもそも最低限プチキチ要素無ければ作り得ない
代物だと偏見承知で言わせて貰うけど、エンドロールの狂気はもう笑っちゃうしかないでしょ。
同じ名前ばかりが並ぶ字幕と、とんでもなさがよくわかる製作風景、かぶさる脳天気な音楽、
もう三つ巴の狂気のコラボレーションが、瞳の笑線を刺激する。
涙かと間違えるほどに、笑いがこぼれてしまうよ。
 
とにかく設定と世界観の構築がすさまじくて、その割にストーリー自体はオバカでグロくて、
若干冗長にも感じられはしたけど、圧倒的な情熱にやられてしまうことは必至。
 
本作自体はものすごく中途半端なところで終わってしまったので、あれっと思ったけど、
3部作構想だったのね。よくそれだけ作れる自信を持ててたなぁ。
 
いやあ、しかし、次はいったい何年後?
 

ジャンクフードの満漢全席 with Beer

30日は休みを取って、29日からGW突入中。
初日は一日中雨だったので、昨日は新百合まで歩きing。
今日は「JUNK HEAD」を観に、海老名まで(感想は後日)。
そこから町田まで出たんだけど、無事にランチでビール飲める店を発見。
一人で食事するのに、感染する/させるリスクもほぼなく、生二杯いただきましたとも。
 

明日からの4日間は本20&Offなんだけど、行くかどうかわからないので、本日購入。
この作者の短編集なんだもの。まぁ面白くないはずはないっしょ。
 

春の一重

春の一重 (ZERO-SUM COMICS)

春の一重 (ZERO-SUM COMICS)

  • 作者:切畑 水葉
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: コミック
 
この装丁だけ見ると、童話的なファンタジーとしか思えない。
 
最初の方は微妙に意地の悪いところはあるけど、
でもやっぱそういう話なのかなぁと思っていると、
「鵯(ひよどり)の裁判」で、一気にダークに。
 
後半はそもそもの画自体がおどろおどろしくなって、
話もよぉわからんようになって、う~ん、付いていけん。
 
表紙詐欺な作品集だったな。