新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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移動都市モータルエンジン

TSUTAYAの新作・準新作5本1,000円で鑑賞。

 
創元のラインナップ説明会で紹介受けて、
超大作なのでヒットしそう、と書いたのに、全くの鳴かず飛ばず
近場での上映も無かったので、結局行きそびれて、TSUTAYAでの鑑賞になってしまった。
 
映像はやっぱり凄いんだけどなぁ。
セットや小道具の作り込みもいちいち凄いし。
 
ただ、やっぱり出落ち感が否定出来ん。
 
ロンドンが動いて攻めてきて、小都市を喰らっていくという、
このシーンが撮りたくて、この原作を選んだんだろうからなぁ。
 
この冒頭の迫力があるが故に逆に、
その後の展開が矮小化して見えるような気もしてしまうほど。
 
ところで、小道具と云えば、大英博物館の描写とかは面白かったなぁ。
「古代アメリカの神々」には笑わされちゃったし。
 

十二人の死にたい子どもたち

TSUTAYAの新作・準新作5本1,000円で鑑賞。

 
むちゃくちゃ評判悪そうだったんで、観に行くのは止めた作品だったけど、
そこまでひどい作品ではなかった。
とはいえ、レンタルで充分な作品であったのは事実。
 
良い点。
意外にミステリ映画してた。
それぞれの伏線がちゃんと回収されて、
複雑な動きが全部解明されていくのは、それなりの快感。
 
そういう映画だと知ってれば、最初からそういう風に観たのに。
 
悪い点。
宣伝の仕方のせいもあるかもしれないけど、思ってた方向性とは違う。
上で褒めはしたけど、こんな推理を見たかったわけじゃなかった。
意外性みたいなもんがさほどあるわけでもないし。
なんかありそだったのに、なに、この何も無し感、みたいな空虚さもある。
延々と会話劇だし、見た人を疲れさせる出来映え。
堤特有のくすぐり演出も特にないので、余計に。
 
十二人の怒れる男」から始まるフォーマットに則ってはいるけど、
その系列の中では、最も抑揚の無い作品だったのではなかろうか。
 
ラストのもう一段の真相解明も蛇足で納得がいかなかった。
最初の投票で全員一致にならない理由はどう考えても無いやろ。
 これやりたいんなら、サクラ役設定して、その謎解きも入れなきゃ

 

降り立った巨人の秘密

20年以上問題なく稼働してくれていたNationalの冷蔵庫がちょっと怪しくなってきたので、壊れる前に買い換えようかと算段中。
カタログ集めて候補絞って、昨日、妻と一緒に地元のノジマと町田のヨドバシに現物確認へ。

少女・レディースコミック500円以上で200円Offのクーポンで1.,2.を購入。これで6巻まで揃ったのでまとめて読めるな。3.,4.は久しぶりに百円棚に続巻が。16年は19巻まで順調に落ちてたけど、そこでペースが止まって、自分の購入履歴では、21巻が17年10月、20巻が18年5月、今回は19年8月だからなぁ。5.はあとは31~33巻と35巻の4冊で完了だ。
 

天気の子

08/27(火) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
 
今回はパスしようと思ってたんだけど、
娘が「むっちゃ良かった」と言ってたので、
急遽やっぱり観に行くことにした次第。
 
結果。 う~~~ん、微妙。
 
たしかに二人きりで世界が完結すると信じられる
10代や20代であれば、純粋に良いと思えるのかも。
そうでないことを知っている大人の世代には、にわかには受け容れがたい。
 
以前も書いたことだが、新海誠の作品は「君の名は。」を除いて、
全て鑑賞直後の心の落ち着き所を失ってしまう。
ハッピーエンドでもバッドエンディングでもない、
どこかあやふやな不安定さに、ぐらついてしまう。
 
本作もやはりそうだ。
 
ストーリー上の破綻は比較的少なく、
氏の作品の中ではわかりやすい作品ではあったが、 
意図的で挑戦的でもあるこのラストに
やはり釈然としないまま、首を横に振りたくなる。
 
セカイ系の文脈で分析すれば色々掘れそうではあるけどね。
君の名は。」同様、"ボク"が"キミ"を救う物語ではあるのだけど、
"セカイ"との関わり方はある意味真逆ではあるので、
その辺もとっかかりになりそうだけど、まぁ止めとこう。
 

スパイダーマン:スパイダーバース

TSUTAYAの新作・準新作5本1,000円で鑑賞。

 
珍しく息子が推薦してきた作品。
じゃあ是非とも観に行こうとした時には既に上映が終わってたので、新作に上がるのを待ってた。
 
うん、なるほど面白い。
 
主人公自身の魅力はほとんど無いんだけど、
ストーリー的にいろんな物語構造の枠組みが盛り込まれている。
 
特にそのうちの二つの核が、
大人に手ほどきを受ける少年の成長物語と、
ボーイミーツガールの物語。
 
これを構成する三人がメインとなるわけだけど、
アベンジャーズみたいな群像ヒーロー劇の構造もあるので、
他にも登場するキャラ達がいずれも魅力的。
日本アニメを思わせるキャラや、カートゥーンのキャラは特に。
 
アニメーションの出来映えも抜群だし、
満足度の高い作品だった。