冒頭で開示された7つの真実。それでも、あなたは騙される。
ミステリーの常識が崩壊する、前代未聞の”読者への挑戦状”。
「島での最初の犠牲者は名探偵」「登場人物の一人は偽名」「島では四人が殺される」「共犯者がいる」など、巻頭に書かれた7つのネタバレ。嵐に閉ざされた孤島で起こる連続殺人を描いた作中作「双紋島の殺人」は、現実に起きた事件をもとにしたノンフィクションノベルだった。事件に巻き込まれたミステリー作家は、真相解明を読者に求めるため小説として刊行するが……。
仕掛け満載でアクロバティック!『同姓同名』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』の著者が贈る禁断のネタバレミステリー。
古くは、西村京太郎の「殺しの双曲線」という作品がある。
最初のページで「この作品には、双子トリックが使われている」
と宣言しているのだ。
そういう本格ミステリならではの遊び心、挑戦意欲を、
究極のような形で提供したのが本作ということになる。
7つものネタバレで、そのうち何か引っかけがあるのだろうと、
眉唾ものではあったのだけど、わりと素直に受け止めていいものだった。
とはいえ、読者をミスリードへ導く罠は、仕掛けられている。
明らかな違和感というか、どうしてもおかしい記述があるのだが、
そこに自分はまんまと引っかかってしまって、
「ほら、こんな間違いしちゃったでしょ」という、
謎解きの最初に見せしめにされる誤答の方向へ歩んでしまった。
ただ、そこに関しては、説明されても若干のアンフェアさは
否めなかったけどなぁ。狡いよなぁとは思えてしまった。
ただ、その一点を除いては、ちゃんと真っ当に構築されている。
最初にこのネタバレがあるからこそ、作品として成立していたりもして
(あらかじめ、こう宣言されていてこそ、納得できるネタバレもある)、
趣向だけの作品というわけではなく、成功作と呼んで間違いないだろう。
これは当然7点を付けるべき作品だろうな。
