本格ミステリ作家クラブの会報のコーナー(22号)で、選考過程が詳しく紹介されている。やはりアンケート結果としては、当然の如く『容疑者Xの献身』と石持氏の2作品が支持されていたらしい。個人的には大賞としては『摩天楼の怪人』こそがふさわしいと思っているが、まぁ今年は順当にどちらかの作品が取るのだろう。
”本格ミステリ”大賞として、『扉』が東野作品を抑えられるかが最大のポイント。作品を産み出す側としての評価がどちらに倒れるのか、非常に興味の持てるところだ。『セリヌンティウス』との合わせ技も考慮して、本命:『扉は閉ざされたまま』、対抗:『容疑者Xの献身』、穴:『摩天楼の怪人』というのが私の予想だ。
ちなみに選考過程でちょっと意外だったのは、アンケートよりも選考委員の意見の方が、圧倒的に重視されていることだった。たとえば候補作として意外だった『向日葵の咲かない夏』は、選考委員推薦であっさりと決まっているのだ。
ちょっと笑ってしまったのは、以下のくだり。
なお、もし誰か候補作者から候補辞退の申し入れがあったとき、過去に候補作を「追加」することは想定外であったが、今回は仮にそのようなことが起きた場合、『三百年の謎匣』を「追加候補」とすることも申し合わされていた。
島荘対策(笑)