新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

檻神館双極子殺人事件

 
凡作。
 
――でしかない作品。
 
前の二作のような特殊設定ミステリではない、
というだけではない、妙な筋の悪さ。
 
帯に書かれている
「全てが一変する快感(カタルシス)」
というものは、どこにもないだろう。
 
脱力のハウダニット。
こんなキャッチーな密室を提示しておいて、これかよと。
悪い意味での裏切り感。
前作では特殊設定という遮蔽物のおかげで埋没できたけど、
本作ではそんなものがないから、剥き出しの失望感。
トリックだけではない意味はあるのだけど、それでもなぁ。
 
最後の仕掛けにしても、意味が無さ過ぎでは。
もっと何か効果を生み出す使い方があったのでは。
 
永劫館が思いの外良かったから、全作追う気満々だったけど、
取捨選択が必要な作家かもしれないね。
 
採点は当然の6点止まり。
 

光の箱 2巻

生と死の狭間にあるコンビニエンスストア。
そこで働く者たちにもまた、光と闇があった。
そしてついに、謎に包まれた店長の過去が明らかに――!?

 
“奇妙”とまでは言わないが、“妙”な感覚の作品。
 
独特の感性は持っている。
 
“面白い”とも言い難いけど、
“面白くない”とも言いにくい。
 
もう少しだけ、この作者とは付き合ってみるか。
 

後宮の検屍女官 3巻

 
前巻からの続きは、最初の一話のみ。
あえて続巻に手を伸ばさせる商法かもしれないけど、
しかも第12話だったわけだし、2巻で完結させて欲しいものだよなぁ。
 
第13話目からは、原作の2巻に突入したようだ。
 
まずは「首つりを偽装した殺人事件」。
検屍による読み解きは、よくできている。
失禁の跡などの手掛かりも、なるほどと思わされた。
 
ミステリの謎解きとは、若干ベクトルの違うものではあるが、
ミステリ性が低いとは言いがたい(曖昧な言い方ではあるが)。
 
積極的ではないものの、一応継続方向で。
 

法月綸太郎の不覚

 
収録作品は以下の四編。
・心理的瑕疵あり(「あなたも名探偵」収録)
・被疑者死亡により(「推理の時間です」収録)
・次はあんたの番だよ(「最後の一行 white」収録)
・平行線は交わらない(書き下ろし)
 
ノリリンの7年振りの新刊。
 
書き下ろし以外の三編は、いずれも競作形式のアンソロジー用に
書かれたものだけあって、気合いが入った作品ばかり。
しかも前半二作は、もともと犯人当て企画として書かれたもの。
残る一編も「ザ・ベストミステリーズ2025」に選出された作品。
 
書き下ろしも最近こだわり抜いている交換殺人のアレンジで、
百五十枚弱の中編というだけあって、非常に立派なたたずまい。
 
四編全てが傑作認定可能な、驚くべき高品質の短編集。
採点は、臆することなく8点進呈すべきだろう。
 
ベストは、やはり年間傑作選にも選ばれた「次はあんたの番だよ」だろうな。
動機の必然性は弱く感じられるものの、構図の作り込みがさすがすぎる。
 
次点は、ミスリード側の動機が不自然すぎるとは思うものの、
こういう構図を描けることの凄さで、「平行線は交わらない」。
 
四編全てに共通することだが、とにかく構図の構築力が凄い。
ただ、いずれも動機に関しては、納得感が得られにくい。
 
昔からの本格批判の常套句「人を描けない」というのが、
ノリリンのウィークポイントなのかもなぁ。
 
勿論、自分としては、そんなの一向に構わないんだけどね。
 

夜の屍の目に光は戯れない。結末は推理の時間、探偵が真実を物語る。

  • 06/10のブックオフ川崎長沢店
    1. 可惜夜行 都戸利津 花とゆめCSP ¥10

「嘘解きレトリック」や「怪盗かまいたち」の作者の単発作品なので。
 

  • 06/10のブックオフ新百合ヶ丘オーパ店
    1. 後宮の検屍女官 3 おの秋人・小野はるか MFC ¥0
    2. 十三代目 石川五ェ門 1 星和弥/モンキー・パンチ アクションC ¥32

1は、6,7月それぞれ242円以下の本無料という太っ腹クーポンが出たので。
2は、石川五ェ門を主人公にしたスピンオフ漫画。
 

  • 06/16のブックオフ多摩永山店
    1. 光の箱 2 衿沢世衣子 フラワーC ¥82
    2. 岸辺露伴は戯れない 短編小説集 荒木飛呂彦/北國ばらっど/宮本深礼/吉上亮 JUMP j BOOKS ¥82

1は、ミステリとは別の語義でのミステリアスオムニバス第二弾。
2は、小説版からドラマ化されたのは、まだ「くしゃがら」だけなのは、質のせい?
 

  • 06/16のブックオフJR稲田堤駅前店
    1. セブン・エンド 1 鳥栖茉莉花 ほげっとBooks ¥32

「失踪者」の持ち物からその人物の痕跡を辿る、特殊能力を持つ探偵が主人公らしい。
 

  • 06/16のブックオフ向ヶ丘遊園駅前店
    1. 鴨乃橋ロンの禁断推理 18 天野明 ジャンプC+ ¥142

新しい巻があってラッキー。でも、17巻が買えてないので、まだ読めない。
 

  • 昨日のブックオフ町田旭町店
    1. サマータイムレンダ 1 田中靖規 ジャンプC ¥60
    2. 百器徒然袋 瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤 志水アキ/京極夏彦 怪C ¥60

1は、シリーズで揃えるつもりなので。いつ完了できるかわからないけど。
2は、京極作品を1巻完結で読めるようなので。
 

  • 昨日の町田ブックオフ
    1. マンガ金正日入門 北朝鮮将軍様の真実 李友情/李英和 ¥32
    2. 縄文物語 わのきなとあぐね 高室弓生 青林工藝社 ¥32

1は、距離的に遠くはないけれど、情報としては遠いお国の話なので。
2は、距離的な遠さはないけれど、時間としては遠いお国の話なので。