新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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楽園の楽園

所在不明の人工知能〈天軸〉の暴走で、世界が混乱に陥る近未来。開発者が遺した絵画〈楽園〉を手掛かりに五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗の選ばれし三人は、〈天軸〉の在処を探す旅に出る――。

 
伊坂幸太郎デビュー25周年記念書き下ろし作品。
書き下ろしの短編小説を、気鋭のアーティスト・
井出静佳の装画・挿絵とともに味わう、
伊坂幸太郎史上最も美しい1冊」。
 
……というものらしい。
 
たしかに、面白くはある。
この短編一つのために買うには、
コスパはよくないとは思うものの、
図書館本で読む分には十分。
 
ただ、何か、この物語が生まれるまでの
来歴のようなものがある気がしてしまう。
そして、それを欲してしまう。
 
たとえば、なぜ西遊記のモチーフなのか。
最初から当たり前のようにそうあるが、
それをただ受け容れなくてはならないのが、
どこか釈然としない。
 
短編ということが不思議なくらい、壮大な作品。
大長編であっても不思議はない。いや、
大長編であることこそが、ふさわしい作品だろう。
 
だからこそ、この物語だけで完結することに、
納得できていない自分がいる。
 
帯にはこうある。
「人はどんなものにも
 物語があると思い込む。
 きっとあなたもそのひとり。」
 
そうか。
自分も、その一人だからなのか。