20世紀初頭、バレエ・リュスの創成期に活躍した天才バレエダンサー、ニジンスキーの悲劇の物語「牧神の午後」。
天才振付師ジョージ・バランシンの妻マリアの苦悩「ブラックスワン」。ズッコケ・バレエエッセイ漫画「瀕死の発表会」&「Ballet Studio 拝見」。
そして『テレプシコーラ』につながる「ローザンヌ国際バレエコンクール」のドタバタ取材旅行を綴った珍道中記。
山岸凉子、バレエの世界を堪能あれ。
やはり本書の半分を占める、ニジンスキーの生涯を描いた表題作が圧巻。
バレエのことなど何も知らない自分でも耳にしたことのある、
彼を名声へと導いた跳躍のシーンや、彼のイメージとして象徴的な「薔薇の精」の立ち姿。
それらが山岸凉子の筆致で鮮やかに再現され、さらに晩年の狂気へと至る経緯まで
描き込まれており、非常に興味深い。
もう一編の「黒鳥 ブラックスワン」も実話をもとにした作品のようだが、
表題作に比べるとフィクション色がやや強めに感じられた。
まぁ、エッセイやエッセイ漫画は、あくまでオマケということで。
