最期の葉書に、あなたは何を書き、何を残しますか?
『10か月後、人類滅亡は決定的となりました』
TVのアナウンサーから唐突に告げられる隕石の衝突、地球消滅へのカウントダウン。混乱の中、日本政府は『銀河ロケット事業団』を設立。国民一人一人からの最期のメッセージとなる葉書を集め、宇宙船『銀河ロケット号』に搭載。人類が生きていた証しを携え、遠い銀河へと旅立つのだ。人生の「終わり」を知った、一人一人の胸に宿るものとは…。純粋抽出ヒューマンドラマオムニバス。
これまでにも繰り返し、繰り返し描かれてきた終末テーマ作品。
しかしながら、その重いテーマを、一枚の葉書という
アナログ的な象徴に集約させたアプローチは斬新だ。
わずか10か月後に人類滅亡が決定しているという「全員死刑宣告」状態では、
本来ならば社会は醜悪な混乱に陥るのが自然だろう。
だが本作は、そうした面にはほぼ目をつむり、あくまでヒューマニズムの視点で描いている。
この点については賛否が分かれるかもしれないが、個人的には共感できた。
ただし、1話目と2話目の主人公に共通背景を持たせた構成には、やや違和感が残る。
この限られた時間の中で、新たな恋の展開かよ……と少し白けてしまった。
1話目の主人公に感情移入できてしまうほど、余計にそう思えるのは構成上勿体ない。
ここは素直に完全オムニバス形式にしていた方が、テーマ性の純度も保てたのではないか。
とはいえ、作品全体を包むセンチメンタルな空気感は良かったので、2巻も読んでみる。
「自分を置いて出ていく家族を乗せて走る、バスの運転手」――
そんなエピソード、泣けるに決まっているではないか。
