新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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地上の楽園

 
これが田淵由美子の最後のコミックスということらしい。
 
これまでも何度か書いてきたことだけど、中学時代におとめちっく路線の
りぼん全盛期時代を体験して、読んでいた自分としては
(その頃は男性で少女漫画読んでたこと自体珍しかったとは思うけど)
陸奥A子とか田淵由美子とかいう名前を見ると、心のどこかがきゅんとしちゃう。
 
そんな彼女の最後のコミックスとなれば、読まずにはいられない。
 
そんな作品集なんだけど、なんだか完結感の薄い作品が揃ってしまった。
最後の「あかねたちばな」だけは綺麗に完結してるけれど。
 
作者のあとがによると、15才の秋に描いたのがデビュー作で、
それから50年が経っているとのこと。そうか、そうだよな。
 
このあとがきでは何も触れられてないんだけど(裏表紙の読者代表の文面のみ)
ほんとにこれが最後のコミックスになるんだろうか?
 
勿論もうおとめちっく路線なんてどこにも無くて、とっても大人の作品だから、
決して「読みたい作品」ではなくなってるわけだけど。
それでもやっぱ、なんか青春がまた一つ失われてしまっていくようで、ちょっとさみしい。
もうすぐ還暦のじじいが今更何を言っとるんじゃ、という話だろうけどさ。