新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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三文未来の家庭訪問

新しいSF漫画の描き手として、アフタヌーン四季大賞受賞と同時に熱い注目を集めてきた庄司創の短編集。遺伝子デザインが施された人類が暮らす社会を扱ったデビュー作『三文未来の家庭訪問』、宇宙人が用意した「人生完結センター」におけるヒューマンドラマ『辺獄にて』、古代生物をモチーフに信仰と社会を問う『パンサラッサ連れ行く』を収録。練り込まれたストーリーとセンスオブワンダーが、心をたまらなく刺激する!

 
結構難しい話だったな。
 
SFとしてハードなわけじゃないけど、
思弁的にハードって感じだったな。
 
がっつり宗教や哲学を扱ったような「パンサラッサ連れ行く」を除いた二作は、
さらっと読めなくはないんだけど、それだけではすまない重みがある。
 
中でも特に四季大賞受賞の表題作は秀逸。
この一作の中にいったい幾つのテーマを盛り込んでいるやら。
それらが全て無駄にならずに、この作品の中に構成されている。
それでいて、軽みとも思えるくらい、さらりと描かれている。
 
SFという枠で括るよりも、
独自の不思議な設定で物語を綴る作者という感じ。
個人的には、三崎亜記が出てきた時と同じ雰囲気を感じた。