「君は、いとしくておいしい。」
龍・鬼・ケンタウロス・グリフィンーー
伝説の生物と人との関わりを軸に描かれる切実な物語。
平穏に爪を立てる5つの短編。
幻獣をモチーフにした作品集。
ってことは、おとぎ話だったり、ファンタジーだったりに
なるわけなんだけども(実際、冒頭の「いとしくておいしい」なんかは
完璧におとぎ話の構造で描かれたりもしてるんだけども)、
いやいや、なんか違う。もっとリアルなんだな。
心情が迫る。そうだな、帯の文句にもある「切実な」って表現が
非常に上手く言い表してくれてるかもしれない。
画も決して上手いとは言い切れない気もするが、
凄く雰囲気はある。作風とマッチしていて、違和感が無い。
結構好きかもしれない。読んで良かったと思えた。
個人的なベストは、間違いなく「ばかな鬼」だな。
次点は「僕のジル」で。