ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ 扉子と虚ろな夢
シーズン2のプロローグ作品。
……という趣だったと思う。
これからの作品を含めて、扉子編を一本の映画に仕立てるなら、
本作のエピローグの後に、シリーズタイトルがバンッと表示されて、
そこで初めて、おお、シーズン2とはそういう作品だったのかと
観客が知ることが出来るような、そんな本作だったと思う。
短編集的な要素は非常に希薄で、ほぼほぼ長編の味わい。
最終日で本作単独の構図が明かされるのがメインになるので、
その毒さ加減だけが後味として残って、いつもの心地良さや
清々しさは味わいにくい作品になってしまっている。
その上に、このエピローグだからな。
事実上このエピローグが、この新シリーズのプロローグだと思うのだけど、
その意図を知った上で、今後の作品を読むということは、
ミステリとしてはマイナスの効果しか産まないような懸念しか無い。
ちょっと今後が危ぶまれるぞ。
いつもの読み心地が味わえず、今回は採点は6点とする。