新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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珠玉の名作アンソロジー 7 あやしい隣人たち(完)


この最終巻もかなり微妙。テーマ自体があやふやってこともあって、
あんまりアンソロジーとしての収まり感が無い。
長編やシリーズの中の1編という作品も多くて、
そういう意味でもアンソロジーとしては味が悪い。
 
特別、これは名作、と思える作品も無かったな。
 
ベストは波津彬子「蔵のある家」で。
これはこの巻よりも「どこかにある猫の国」の方がふさわしいのでは、
と思ったら、そっちでもなんか似た趣向の作品をベストに選んでたよ。
 
第二位は萩尾望都「ビブラート」で。
SF的処理としては不満が残るけれど、消去法的に。
 
第三位は奈知未佐子「ささらの岩魚」で。
結局、このシリーズ既読三冊、全て同ポジションだな。
 
実は話自体は田村由美「ビショップの輪百鬼夜行」が一番いいかも、
とは思ったんだけど、設定が映画「レディホーク」まんまだからなぁ。