新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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バイナリ畑でつかまえて(新編)

 
その時々のテクノロジーや、IT系のサービス(SNS等)の
一つ一つをテーマに、それらと人との関係を描いた作品集。
ストーリー漫画である表題作以外は、1頁の技術解説と2頁の漫画で構成される掌編集。
 
2013年~2015年にかけてIT系雑誌に連載された作品なので、
今や古さを感じてしまうかもと懸念したけれど、
もう時の流れの影響を受けにくい年代(50歳前後だもの)に触れたものだからなのか、
特に風化はせず、今でも結構共感できてしまった。
 
新編ということで、巻末に「作者自身によるライナーノーツ」が載っている。
これ、あると無いとじゃ大違いだな。
ぼおっと読んでたから、巻頭作の意味がわかってなかった。
ライナーノーツ読んで「ああ、そういうことか」と思って、そこからは注意して読んだけど、
それ以降はそんなには考え落ちみたいなのはなかったかな。
ただ、これを読んで、そういうことだったのかと、作者の意図が伝わる作品が
いくつかはあったので、これ読むなら絶対に新編の方が良いと思う。
 
表題作も切なくて良い作品だったし、全体的に満足できた。
「AIの遺電子」を3巻ほど積んでるけど、これなら結構期待できそうだな。