卵の中の刺殺体――世界最小の密室
バカミス好きの自分にとっては、門前典之は大好物なんだけど、
本作に関してはあまり感心できなかった。
そもそもこの卵を密室と呼ぶのに違和感を感じまくりだったが、
作者自身からその違和感を説明されて納得してしまった。
結局トリック自体も全然たいしたことないもんだったし。
これをメインに据える意味がわからない。
そちらよりもコルバ館の二つの密室がメインに思えるのだが、
「読者への挑戦状」からもこの解明は省かれているように、
考えてもわかるようなもんじゃないし、いくらなんでもこれは
警察の捜査で判明するに決まってるやんという代物。
ちょっとあんまし。
でもって、とにかくごちゃあってしすぎ。
もう、ごちゃごちゃ、がちゃがちゃしてる。
擬音だらけで申し訳ないが、おそらく読んでもらえればわかるはず。
「襲撃事件の真相」のとこも、全く不要な仕掛けとしか思えないし。
まぁ犯人の仕掛けとか、幾つか面白いところはあったけど、
本作に7点付けるのは躊躇しちゃうな。採点は6点。