昨日の「手塚治虫 この短篇がすごい! 【ミステリー・ホラー編】」
でも、3編がセレクトされていた作品集。
68年6月から、70年4月まで、プレイコミックに掲載された連作16編。
掲載誌故だろうが、大人向けを意識した作品であり(エロティックという意味ではない)、
ほぼ全部の作品が広義のミステリと表現して良いものだったりするためか、
起承転結の構造がしっかりと組み込まれていて、短編としての完結性が非常に高い。
この1編1編の短さの中に、濃密なドラマ性が盛り込まれてもいる。
手塚治虫をそれほど制覇しているわけではないが、
氏の連作集(短編同士の繋がりは一切無いけど)としては、
最良の物の一つなのではないだろうか。
ベスト3としては、3編連続になってしまうのだけれど、
「夜の声」「野郎と断崖」「グランド・メサの決闘」(順不同で)かな。