BoichiオリジナルSF短編集 2 名も無き戦士
おお、やはりBoichiのSF短編は凄い。
「HOTEL」収録の作品も傑作揃いだったが、
それには引けを取るかもしれないが、こちらも充分な秀作揃い。
冒頭の「ANTI-MAGMA」は、連載が確定していただけあって、
設定も凝っていて、これはたしかにある程度の長尺でも愉しめたかも。
「The Space Between」は宇宙のロマンと厳しさを描いた掌編で、印象深い。
彼はル・グィンのファンなのかな。作風からル・グィンっぽさはあんま感じないけど。
「STEPHANOS」は描写はちとグロいし、あの見開きのページを描きたいだけの作品。
モチーフだけの作品で、これはあまり感心できなかった。
「彼はそこにいた」は本書の白眉で、紛れもなく傑作。
終末シーンの説明が無いのが気になるところではあるけれど、
「連載のためのような読み切り」というコンセプトなので、
敢えての含みといったところなのだろうな。
古本でも高い本だったが、大満足。