神様の罠
文藝春秋の文庫オリジナル・アンソロジー。
とにかく作者陣が好みとうまく合致してる。
乾くるみ、米澤穂信、芦沢央、
大山誠一郎、有栖川有栖、辻村深月の六人。
こりゃあ読まずにいられまい。
でもって、そこそこみんな悪くはない作品ばかりだったんだけど、
なんか盛り上がりに欠けるなぁって印象だった。
ベストは、やはり大山誠一郎「孤独な容疑者」
いきなりこういううっちゃりで来たか。
第二位は有栖川有栖「推理研vsパズル研」
なんと学生アリスの短編。これだけで嬉しくなる。
無茶苦茶良くできてる既存のパズルをモチーフにして、
SF研やミステリ研時代のようなバカ話展開に共感できる作品。
第三位は辻村深月「2020年のロマンス詐欺」
作品としての読み応えは本書中ではダントツな作品。
乾くるみ作品はポテンシャルはあるけど、プレゼンが下手な作品。
いまいち何がどうなってるかわかり辛い書き方になってる。
米澤作品は改めが足りない気がした。この真相は現実には
もっと早い段階でわかってしまうようにも思えたし。
芦沢央はホワイの意外性がこの人にしては弱めに感じられた。
決め手になるような作品は無かったので、採点は6点。