新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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雷神

 
「龍神の雨」「風神の手」に続く、神三部作の完結編。
(あっ、それぞれに関連性は全くなく、完全な独立作品です。念のため補足)
 
その「風神の手」も傑作だったが、本作もそれに劣らぬ傑作。
 
久しぶりに道尾秀介の得意技でもあったダブルミーニングのミスリードの、
それもとびっきり強烈な奴を味わうことが出来たな。
作者が意図していたかどうかは不明だが、私は二本線に関しても同様だった。
手紙の宛先に二本線足して「幸人->南人」に書き換えられていた。
 つまりは記憶を失っていた主人公自身が毒混入の犯人だと、勝手に勘違いしてしまってた。
 便せんの方だけじゃなくて、封筒も見せてくれなきゃだわ、とか思ってたんだよね。

(伏せ字ばかりの感想で、申しわけないです)
 
最後の最後まで読者の心情を痺れさせてくれるし。
 
採点はやはり8点にするかな。