ホラーコミック傑作選(第1集) HOLY
角川ホラー文庫としては、これが初めてのコミック集だったらしい。
収録作品は、手塚治虫「バイパスの夜」、美内すずえ「白い影法師」、
諸星大二郎「小人怪」、日野日出志「はつかねずみ」、丸尾末広「電気蟻」、
内田春菊「雨の日は嫌い」、花輪和一「怨焔」、永井豪「霧の扉」、
萩尾望都「かわいそうなママ」の9作品。
なるほどと思える点もあるものの、これじゃない感も。
というのも、初コミックアンソロジーならば、
定番を集めて、これぞ決定版というものにするか、
マニアックなセレクトで独自色を強く押し出すか、
という二つの方向性かと思うのに、どちらにも中途半端感を覚えてしまったせい。
ベストは奇譚としての独特の雰囲気が魅力的な諸星大二郎「小人怪」。
第二位は本書中唯一怖かった日野日出志「はつかねずみ」。
第三位は萩尾望都「かわいそうなママ」。