新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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マーダーミステリーシアター 演技の代償

一生に一度のゲーム×全編アドリブ×リアル体験型ステージ

人狼ゲーム」「脱出ゲーム」に続く、いま話題の体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」。プレイヤーにはそれぞれ役が与えられ、その人物を演じながら殺人事件の真相を解き明かしていく。事件の推理はプレイヤーの演技によって激変し、先の読めない心理戦が繰り広げられる!この「一生に一度しかプレイすることができないゲーム」を映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、『覆面系ノイズ』、『弱虫ペダル』の監督を務めた三木康一郎によって、まったく新しいリアル体験型ステージとして映像化!マーダーミステリーシアター『演技の代償』Replayの出演者たちは自身が演じる役になりきりながら、制限時間内に事件を推理。それぞれの勝利条件をクリアするために、俳優が全編アドリブで魅せる【一発本番の即興演劇】の幕が上がる!!

 
この謳い文句にミステリファンとしての心を鷲づかみにされ、
しかも出演者にお気に入りの大原優乃ちゃんがいるものだから、
07/17(土) 14:00 の回を【早割】本公演+感想戦 5,200円で購入し、息子と一緒に鑑賞。
 
上記の紹介文じゃどういうルールなのかよくわからず、人狼みたいに犯人役も
毎回割り振られるものなのかと最初は勘違いしてた。
そうではなく、犯人を含めた設定は共通で、演者だけが毎回変わるということらしい。
 
視聴する際には、全体視点か、6人のうち誰かのキャラクタ視点選んで観るわけだけど、
やはりキャラクタ視点で観る方が絶対面白いと思う。
ただ、そのうち一人は犯人役なので、当たってしまうと少し面白さは減じるかもしれないけど。
 
勿論、自分は優乃ちゃん視点で、ドキドキしながらの鑑賞でした。
 
こういう企画物なので、一切ネタバレ出来ないので、その前提での感想を。
 
う~ん、推理物として観るにはイマイチの設定だったな。
結局それぞれの手がかりとして提示されるのは、動機に繋がるものだけなので、
本格ミステリ的な推理なんてしようがないものになってる。
単なる動機ベースの心理戦。
もっと時間的な手がかりなんかも出して、本格ミステリ的な推理勝負が
出来るようになってたらいいのになぁって思ってしまうのが本格ミステリ厨ならでは。
 
でも、演劇としては面白かった。
本作の場合、全編アドリブの即興演劇なわけだから、
推理力を必要とするような余計な展開は入れずに(演者の推理力を比較したいわけじゃないものね)、
心理的な手がかりだけってのは、これはこれで、きっと正解だと思えてしまったな。
(もし、自分がマーダーミステリーに参加する機会があるなら、
 ちゃんと推理する余地のあるゲームであって欲しいけどね)
 
そういう制限の中で、自分が観た回のMVPは梅崎歩役の佐野瑞樹さんだったな。
息子と二人して、もう大絶賛。
推しの優乃ちゃんは、なかなか議論に加わっていけず、手数が少なすぎたのが残念。