時計仕掛けのりんご
「処刑は3時におわった」「聖女懐妊」「時計仕掛けのりんご」
「バイパスの夜」「嚢(ふくろ)」「イエロー・ダスト」
「悪魔の開幕」「帰還者」の8作品。
既読作品も多かったが、ミステリ色の強い作品ばかりで、
ミステリファンとしては読み心地抜群の作品集。
ただ、エンディングの処理に若干物足りなさを感じるものも多かった。
「処刑は……」は苦しみや痛みを長時間感じる恐怖を描いて欲しかったし、
「聖女懐妊」の最終頁の意味合いがよくわからなかった。
表題作も決着のさせ方が唐突だし、「帰還者」の最終頁の処理も乱暴だと思った。
ベストは物語性の高さの順で表題作、第二位は「悪魔の開幕」かな。
ベスト3の最後はほぼどの作品を選んでも良いけど、
雰囲気を買って「バイパスの夜」で。