- 作者:アンソニー・ホロヴィッツ
- 発売日: 2020/09/10
- メディア: ハードカバー
シリーズ二作目にして、ようやく読み方がわかったように思う。
前作はカササギの後と云うこともあったし、
メタフィクションと解説で称された構造もあって、
「絶対になんかやってきそうだぞ、来るぞ、きっと来るぞ」と、
”身構えしつつ攻撃”みたいな読み方をしてしまって、肩が凝った。
でも、もうこのシリーズは真っ当な本格ミステリだってことはわかってるし、
お笑いで云う”天丼”(同じギャグやボケを二度、三度と繰り返して笑いをとる手法)
みたいなところもわかってきて、読む愉しさがだいぶアップした。
いわく、
「おっと、やっぱ昔の事件が出てきたぞ」
⇒ 今度は関係するのか、しないのか?
「ホーソーン探偵のまた新たな事実が…… でも、ちょっぴりだけ」
⇒ 十作通じて語るってことみたいだから、まぁゆっくりと。
「ホロヴィッツ先生、きっとどっかで余計なこと言っちゃうよ、絶対」
⇒ って、わかってても、これがそうってわかるもんじゃあないんだよねぇ。
「ホロヴィッツ先生、またまたピンチになっちゃうのかしら~ん?」
⇒ ネタバレで興を削ぐこともないでしょ、はい、今回もなっちゃいます(笑)
なんて感じ。
こういう二回目だから戸惑いもなく、身を委ねることができたってところを除いても、
二転三転の展開も含めて、シンプルに理解出来る、わかりやすい作品だったと思う。
今回は悩まずに心置きなく、8点を進呈。
とはいえ、2020年の順位表でも、自分の軍配はアルテに。