新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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メインテーマは殺人

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

 
前作に続いて、二年連続三冠王の作品(次作もなので、三年連続なのだが)。
今更にして、ようやくの読了。
 
それだけの作品というわけで、一体今度はどんな手で来るんだろうと、
相当身構えてしまってたんだけど、意外にフツーなミステリだったので、ちょっと拍子抜け。
 
たしかに良く出来てはいるんだけど、前作が無かったら年間ベストに
入るような作品ではないだろうなと思えてしまった。
 
ミステリとしてもミスリードや伏線など、存分に凝ってはいるけれど、
でも、やっぱこのフォーマットの方が評価されてるんだろうなぁ。
自分自身をワトソン役にして、現実の要素を数多く組み込んで、
現実と虚構との境目を曖昧にして興味を惹きつけている。
 
探偵役の憎たらしさ(という魅力)も古典の系統に準じていて、
シリーズとしての展開も組み込まれてるようだし、
その辺はやっぱ巧みだなぁ。
 
なんのかんの云ってはみたが、海外物加算を加えると、
採点はやっぱ8点を付けざるを得ないかな。
順位表に入れ込んでみたら、第4位だな。