- 作者:ヤマシタ トモコ
- 発売日: 2014/08/22
- メディア: コミック
雰囲気のある作品を描ける人なんだなぁ。
読者に対して、ずしりとしたインパクトを与えてくれる。
一編一編がヘビー級のように重い。
三つの短編が収められているが、どの作品も一冊読み終えたくらいの
読後感を覚えてしまえる。
雰囲気の持つ力でねじ伏せられてしまう。
一度読むと忘れられないような、魅力を持った作家かもしれない。
証言聴取の場だけなのに、ピリピリとした緊張感と、
ゾクゾクする怖さを感じさせてくれる「無敵」。
青春物、恋愛物の一つの型のようでいて、型からはみ出している、
救われたのか、救われていないのかわからない、切なさと痛みの「きみはスター」。
「眠りの森の美女」のモチーフを、現代的なファンタジーに仕立て上げ、
リーダビリティの高い、高い完成度に磨き上げた「不呪姫と檻の塔」。
三編の中でのベストはこれだな。