新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ぬいぐるみ殺人事件

ぬいぐるみ殺人事件

ぬいぐるみ殺人事件

 
ミステリの世界では、古今東西様々な実例があるリレー小説だが、
なかなか別の分野ではそうそうお目にかかれないもの。
 
これはその漫画版。
リレー漫画ではあっても、やっぱり「殺人事件」というタイトルのあたりが
伝統を守ってるっつうのか、必然性と解釈すべきか。
 
オープンで何でも許される状況下でリレーしたって、なんかつまらない。
個々人が勝手に拡げるだけ拡げて、困ったらなんとか落ち(適当なタイプがいくらでもある)
で片を付けるってのが容易に出来ちゃうからな。
やはり閉じることを基本的に前提としているミステリこそが、
リレーのお題としてはふさわしいのだろう。
 
とはいえ、だ~~れもそんなことは考えちゃいないっつうの。
密室も殺人事件もたきたかんせいも、随分なほったらかし状態だったな。
 
破茶滅茶や不条理やえすえふ~がお好きな漫画家ばかりが揃ってるからなぁ。
とにかく拡げちゃう人、とにかく自分(の個性やキャラ)を出したがる人、
とにかくなんとか引き戻そうとしてくれる人、などもう様々。
 
筋がどうのこうのなんて、この際一切どうにも良くって、
こういう漫画家達の苦悩や苦闘やお遊びや放り投げ(笑)を堪能できればいい作品だろう。
 
いや、ほんと、しかし、こういう苦労だけは他の作品の何倍もかかるだろうものを、
こんな有名漫画家達がタダ働きでやってたなんて、「漫画の手帖」すげぇなぁ。
 
 
あっ、今全漫画評索引に追加しようとして気付いた。
唯一空白だった「ぬ」の項目が、ついにこれで埋まったよ!!!